松田屋旅館の庭園視察

明治維新 幕末の志士たちが集った老舗旅館

広島の小さなガーデン屋さんの大きなガーデナー石川です。

30、31日と臨時休業しまして、山口県を旅行してきました。

宿泊は、ずっと行きたかった旅館「松田屋ホテル」です。

創業300年の老舗でして、非常に興味深いのが江戸時代末期、幕末に勤王の志士たちがここの旅館に宿泊して討幕の打ち合わせなどをしていたというところですね。

上の写真の浴槽・・・

高杉晋作、桂小五郎、西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文、大村益次郎、山県有朋、井上薫、そして坂本龍馬が入浴したものなんですよ。

いまから150年前、その場所に彼らがいたと思うとテンション上がりますよね。

回遊式庭園

昨年、この近くの旅館・山水園さんに宿泊したのですが、そこでも同じタイプの庭園「回遊式」でした。

 

温泉水が滝のように流れ出し、庭園の周囲に池が配置され、温泉水の中で鯉が元気に泳いでいる、というシチュエーション。

 

素敵な日本庭園で楽しく散策しました。

 

ガーデンからの見方ですとジャパニーズ・ロックガーデンですね。

ふんだんに巨石が使われ、順路も敷石が導いてくれています。

 

池に囲まれた部分を中心に足湯、滝、休憩所が配置されていて、、ゾーニングを見ると楽しいアトラクションですね。

 

基本的に日本庭園というのは鑑賞庭園という感じで「部屋から見て癒される空間」なのですが、この回遊式庭園は歩いて楽しむという感じなんですよ。

 

イングリッシュガーデンの日本での着地点を模索、というのは日本のガーデナーのライフワークに近いものがあるんですが、私としてはこの回遊式庭園とイングリッシュガーデンのミックスしたものが着地点かなと考えていまして、いろんな回遊式庭園を視察しているんですよ。

 

先日より寒気団の影響でまた寒くなってきてますが、逆に温泉水による湯気が池全面から上がっていて、幻想的な空間になっていましたよ。

 

このような庭園がつくれる造園屋さんもごく少数になってしまったと聞きますが、やはり作る側の人間に何らかの哲学がないと薄っぺらい庭園もどきになってしまうんですよね。

これはガーデンでも同じでデザイナーの哲学が無いガーデンはただの敷地なんですよね。


薩長同盟・討幕

歴史の好きな方は感無量でしょうねぇ~。

坂本龍馬の奔走により薩長同盟が結ばれる運びとなりまして、薩摩から西郷隆盛と大久保利通が長州を訪れます。

薩長同盟締結の確認と、これからの討幕の現実的な動きを話し合うためです。

その会談がもたれたのがここ。写真右の南洲亭です。

松田屋ホテルの庭園の奥にひっそりとありますよ。ぜひ、幕末を感じにいってくださいね。

松田屋ホテル公式ホームページ