こだわりの庭をつくる モネとルノアール

もう20年以上前ですがお付き合いで経営セミナーに行きまして。今でも覚えているフレーズがありまして。
「売上を上げたいなら、こだわりのパンより食パンを売りなさい!こだわりのパンを毎日食べる人はいませんが、食パンを毎日食べる人は多いですから!」って。
へぇ〜って感じでしたが、あれを思い出して、まぁ納得しましたよ。
モネとルノアール
モネの絵が好きで画集を買って模写したりしてまして、歴史も調べたりしてて。この二人の違いが面白く、まさに食パンとこだわりのパンなんですよ。
モネとルノアールはマネの流れを汲んでおりモネは自分の描きたい人物を排除した風景画を魂を削りながら創作し続けた。
ルノアールは自分が描きたいものではなく売れる女性の人物画ばかり描いた商売上手。
モネの風景画は全く売れず生活はどんどん苦しくなり自殺未遂まで起こしながらも描き続けます。
今は評価されなくても、いつか自分の絵が評価される時が来るはずだという信念で苦しみながら描き続けるモネに対し、本来自分もそうしたいけど家族の生活もあるから売れるものばかり描いたルノアールは心の奥底でモネを羨ましく思っていたのではないか?と思うエピソードが
食べるものもないほど生活に困窮しているモネなルノアールがパンをもっていってあげていた話は有名で。
ルノアールは自分ができないことをモネがやってくれている、頑張れって思ってたのではないかなと。
売れるものしか描かないルノアールのことを
マネはモネに耳打ちした
「きみの友人は才能ないね」

物を作る人すべてに共通する分岐点なのですが
こだわるか、こだわらないか
「売上」だけを見ると間違いなく「こだわらない」の方が対象が「みんな」ですから売上は高いです。
「こだわる」方は対象が「みんな」ではなくて「価値が分かる人」のみに絞られますから、もちろん売上は低く、下手したらモネみたいになる。
モネとルノアール
今で言うと売れないこだわりの画家であるモネに対して、神絵師か人気イラストレーター、みんなに受けるものを描きますというルノアール。
昔、島根県の古い旅館がそこで結婚式場・披露宴会場もしているというドキュメンタリーを見て。
新しい、綺麗、華やかな結婚式場で華やかにワーッというのも価値観、趣のある古い旅館でみんなゆっくりと幸せを祝うというのも価値観。
うちは、みんながみんな、うちのお客様とは思っていない。価値観が同じ方のみがうちのお客様です。
と、支配人さん。
この言葉に非常に共感しまして、私もそういうスタンスで仕事をしています。