ミレーの落穂拾いは優しい絵画なのに

ミレーの名画「落穂拾い」
農民画家と言われるだけあって単なる写実主義の絵画ではない伝わるものがあり、好きな絵。
レプリカを事務所に飾っています^_^
先日、共産系のジェンダー、女性差別を無くそう!を叫ぶ議員さんが、この絵を女性差別の象徴的なものだと言われていまして。
はあ?って感じで。
女性が強制的に刈入れ後の落穂を拾わされている絵なのだそうです。
正気か?と思いましたが、まぁ正気なら共産主義者にはならないだろうなと。
この絵、女性が落穂を拾っている。確かに見たまんまなんですが、絵画というものは描かれた時代背景というものを感じとらないと。
なぜ女性ばかりなのか?
なんのために落穂を拾っているのか?
これを考えないとミレーの伝えたいものが分からない。
この女性たちは旦那さんがいない、戦争で亡くなられたり、身体が不自由だったりして女性が動くしかなく、収入が少ない貧困層なんです。
絵の奥に収穫されたものが山積みになっています。
農民はこの女性たちのためにわざと落穂を多くしているんですよ。
これは人としての優しさです。
刈り取ったものを女性たちに「はい」って渡すと、貰った、恵んでもらったという負目ができますよね。
自分たちが刈入れの時にこぼれたものは、いらないから自由に取っていいよ!だったら自分たちが拾ったものだから負い目が生まれない。
落穂を拾った女性たちは持ち帰り家族の食卓に並ぶ。
そういう優しい背景のある絵を共産主義者が見ると女性の強制労働に見えるようです、狂ってますな(笑)
ちなみにミレーのような農民画に憧れて真似しようとしたゴッホは農地に出向き絵を描こうとするが、農民から「邪魔だから帰れ」と怒られてチュン太郎で引き上げたという(笑)